街の活性化に関する企画・プロデュース業務 株式会社ELC JAPAN
代表ブログ
代表ブログ
2020/11/01

ELCブログ2020.11.01㉘『国家プロジェクト、企業経営、人生等における事業化能力』

前回の話の続きになります。


決断するから可能性が出てくる

かつて松下電器で、松下幸之助氏のもとで働いていた唐津一氏も「コンセプトエンジニアリング革命」という本の中で、国家プロジェクトの決断の話を書いています。

 昭和31年、日本がはじめての国家プロジェクトとして南極観測船の『宗谷』を派遣するときのことです。全体のプロジェクト隊長は東京大学の物理学の永田先生、また現地での越冬隊長は東北大学のこれも物理学の西堀先生。このとき二人の間で激論があったといいます。永田先生は全体の責任者ですから当然のこと慎重になる。初めての越冬です。どのような危険が待ち受けているかわからない。越冬するかしないかは、現地で調査してから決めようという意見。

一方の西堀先生はそれではだめだという。決めないで現地に行くと、あれも危険これも危険、危ないことはやめておこうとなって、結局、越冬しない結論になるのは、目に見えている。まず最初から、「越冬する」と決めて行くべきだ。そうすると現地調査をしてもむしろ可能性の方に目が行く。越冬を無事に遂行するには何をしなければならないか、そういう視点でものを考えるようになる。

つまり、永田先生は調査してから決めるという、これに対して西堀先生は決めてから調査するという、方法論の違いが顕在化した。

 そういう激論があったそうです。しかし、最終的には西堀先生が押し切って、越冬しようと決めて出かけることになった。結果、日本初の南極観測は大成功をおさめたのでした。


 この話を引きながら、唐津さんは続けます。


可能性があるから決断するのだったら、誰でもできる。それでは、決断など要らない。単なる事実の確認だ。

 そうではなくて、決断するから可能性が出てくるのだ。


 これは、名言です。


これは、国家プロジェクトのみならず、あらゆることに言える。再開発事業にも言える。企業経営にも当てはまる、また人生にも当てはまる。決断が道を開くのです。


 では次なる疑問は、いかにすれば強い決断ができるかということです。決断が大事だというのはわかっている。しかし、なかなかその大いなる決断ができないのが、凡人です。


背水の陣

 もうこれしかない、というとき、人間は強い決断ができます。


プロ野球で868本の世界一のホームラン数を達成した王選手(当時)にインタビューした人がありました。王選手は、当時としては変則的な一本足打法で世界一を達成しましたが、そのことを聞かれたのです。

「他にも、一本足打法で挑戦した人が、何人もいたのになぜあなただけが成功したのですか」。そのときの答えです。「私も、いろいろなことを試してみた。しかし、最後はもうこれしかなかった。これでだめなら、野球をやめようと思った。そこまで思いつめた。私にとっては、最後に残された唯一の道だったのです。しかし、多分他の人たちはそこまで思いつめてはいなかったのでしょう。いろいろな方法のうちの一つだったのでしょう。ただ、ワン・オブ・ゼムだったということです。」

要は、一本足打法は、王さんにとっては、背水の陣だったということです。


感動

 また、大いなる気づきがあって感動するときも、強い決断ができます。


 ジャズシンガーの綾戸智絵さんが何年か前に自分の息子のことを話していたことがあります。

ご存知のように綾戸さんは若いときに黒人のアメリカ兵と結婚して、アメリカに渡りました。そこで息子を産みましたが、まもなく文化の違いから離婚してしまいます。憔悴して息子と日本に帰国しました。

 その後、子供を育てるために、ジャズシンガーとして必死で働きました。そのハスキーなジャズボーカルが人気を得てあちこちのステージに立てるようになりました。一方で、息子をしっかり育てている暇もなく、ほとんどほったらかしになってしまいました。残念ながら、息子は全く勉強することが嫌いになってしまった。黒人とのハーフということで学校でいじめられたこともあったようです。

 その結果、成績表は小学校から中学2年まですべて全科目オール1でした。


 「あんた、どうするんや。その成績では高校には行けへんで」「オレ、高校には行けへん。どこかレストランででも働く」「レストランで働くにしても、調理師の試験受けたり、勉強せなあかんで」「ほなら、勉強せんでもいいところで働くは」こんな調子のやり取りがあったそうです。綾戸さんは全く子供のことは諦めてしまいました。そういう状態が中学3年の夏休み前まで続きました。


 ところが、夏休みに入った途端、息子は突然「おれ高校に行きたい。どうしても行きたいから、予備校に通わしてくれ」といい始めたのです。

 結論から言うと、息子はその夏休みから、猛勉強を始めて、6ヶ月後には希望の高校に入学できたのです。


 何が起こったのか。


息子はコミックの『ドラゴン桜』を読んだというのです。そうしたら自分も高校には入れるのではないかと思ったのです。思ったというより入れると確信したのです。そしたら、6ヵ月後に奇跡が起こりました。

その綾戸さんの話を聞いた後、私はすぐに本屋に行って『ドラゴン桜』を買ってきました。全部で15巻ありましたが、とりあえず1巻目と2巻目を買いました。そして一気に読みました。感動しました。一週間で全巻読みましたが、読めば読むほどに感動が深まりました。

話の筋は、落ちこぼればかりの高校生を集めた、閉鎖寸前の私立高校を建て直し、最低レベルの生徒を、少しずつ少しずつ根気良く学力をつけさせ、そして最終的には東大に合格させるというものです。国語も、数学も、英語も、歴史も、すべての勉強方法がそこには分かりやすく書かれていました。

私でさえも、この歳になっても東大に入れると確信しました。それほど、勉強方法が具体的で、分かりやすく書かれていました。

「感動したら、決断できる」

綾戸智絵さんの息子は、その実証です。


事業化能力

 要は、こういうことです。


計画能力と事業化能力は違う、設計能力と事業化能力も別。コーディネーター能力と事業化能力も違う。

 事業化能力というのは、洞察力であり、決断力であり、周りの人たちを巻き込んでいく影響力である。別の言葉でいえば、経営能力といってもよい。細部を見つつも、大局観を持ち続けて、推進していく力である。


ELC JAPANは地域・商業・企業の
活性化をお手伝いをさせて頂きます

弊社とご一緒に、まちづくりやものづくりの活性化に
取り組みたいというお客様からのご連絡をお待ちしております。

03-6386-5877