前回に続いてオーラの法則を二つ取り上げます。
建設会社を脱サラして起業したけれども、「相手の嫌がる無理な営業はしたくない」と心に誓い、徹底して待ちの姿勢を貫いた起業家の話があります。
オーラの法則②――執着を断つ
その極め付きは以下です。
いつまで経っても仕事は入ってきません。待てど暮らせど、電話一つ掛かってきません。
『そうしたある日、一本の電話がかかってきました。小学生の息子の部屋のリフォームをしたいという、主婦からの電話で、そのリフォームにどれぐらいの費用が必要かという問い合わせでした。よくよく聞いてみると、ほとんど勉強をしない息子に、勉強の意欲を出させるために部屋をリフォームしたいということでした。あまりに息子の部屋が汚いので、きれいにすれば少しは勉強のやる気が出てくるのではないかと。
それを聞いた彼は「そんな、部屋をきれいにするためだけに、何十万円もお金をかけるのはもったいないですよ。きれいにするぐらいだったら、私が行って掃除をしてあげますよ」と言って、彼はその家に出かけて行きました。2~3時間かけて、片付け、掃除機かけ、拭き掃除を終えました。「お金は要りません」「え!それでは収入にならないじゃないの?」「いえ、いいんです。自分は納得のいく仕事しかしないと決めていますから」
そういうやり取りをして、彼はお茶だけ飲んで帰ってきました。
ところが、その翌日から仕事の電話がじゃんじゃん掛かってき始めたのです。「以前、新聞の中に入っていたチラシを見て電話しているのですが」という電話が、対応しきないくらいに掛かってきて、何件もの契約成立となったのでした。
その後、この会社は、快進撃。今や長野県一番の成長企業になり、全国から問い合わせが殺到して、住宅のリフォームのみならず、建売販売も手がけ、さらには売り上げ増のためのコンサルタントもやっているのです。なんと、社長の年収は5億円に達しているということです』。
嫌な思いをしてでも仕事を取りたいという執着を断った強烈な念いの結果です。これもオーラの法則です。
オーラの法則③――素晴らしさの発見
敬愛するコンサルタントから聞いた素晴らしさの発見ノートの話も感動でした。
家族やお客の素晴らしさを発見してノートに書いていったら、経営するヘアーサロンに多くの顧客が来るようになったという話も、法則通りのものです。
『目が覚めてから、その日は何事もなく、いつものように時間が過ぎていきました。やがてお店の閉店時間が来たとき、私は「あれっ」と思いました。お母さん(妻)がお店の掃除を始めたのです。今まで何十回と「お店の掃除は夜にやろう」と言ってきましたが、お母さんは朝方のタイプで、夜型のタイプの私には協力してくれませんでした。このわがヘアーサロンの経営方針がひとつにまとまらないと、今まで何年と思い続けてきたことか。しょうがないとあきらめ、耐え忍んできたのです。
ところが、この「素晴らしさの発見ノート」を書いたその日にお母さんが変化したのです。本当にごく自然に私に協力するようになったのです。掃除以外にもいろいろと協力的になったのです。私にとってこれは奇跡です。本当に奇跡です。10数年あきらめ、耐え忍んできた夫婦別々の心がひとつになったのです。お母さんが私の「素晴らしさの発見ノート」を見て、うれしくなって変わってくれたのかと思ってそれとなく聞いてみても、ノートは見ていないようです。
不思議なことに、この日を境にしてお客様が増え始めたのです、しばらく見えなかった方が急に来てくださったり、初めてのお客様が来てくださったりで、急に忙しくなりだしたのです』。
相手の欠点でなく、相手の素晴らしさを発見していく。相手の短所でなく、相手の長所を発見してそれをほめてあげる。これもコンサルタントの王道です。そこにオーラを発信する秘訣があるようです。
単純な原理原則
こうして過去に取りあげた事例を振り返ってみると、商売の基本、人生の基本はじつに単純なもののようです。要は、その単純な原理原則に気づくか気づかぬか、そして気づいたらそれを徹底的に実践するかしないかにかかっているようです。単にそれだけのことです。
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